HOME  > 経営ブログ > 監査役 古川 正志 > 貴金属比(1)

経営ブログ

2022.03.28

貴金属比(1)

監査役 古川 正志

先日,ある友人に黄金数は貴金属数の一つと教えていただきました.黄金数については以前にも本ブログ黄金分割として述べたました.貴金属数はデザインでは多くに使用されている比率です.

 

 黄金数は2本の線分(両端のある直線)を並べて,一本の長さを(1+√5)/2,もう一本の長さ1をとした時に二つの線分比が

   (1+√5)/2:1

   = 1.618:1

であることを言います.一本の線分をこの比で分割すると,線分の長さ1とすれば

   1.618/(1+1.618):1./(1+1.618)

   =0.618:0.382

となりますから,一本の紐であれば約6:4に紐を分割することになります.貴金属比は黄金比を一般化したもので,その比は

  (n+√(n2+4))/2:1

で表現されます.ここでnは自然数(1,2,3,...)です.実際にn=1,2,3,4...を計算しますと以下のようになります.

   n=1 第一金属数 (1+√(12+4))/2 =(1+√5)/2   = 1.6180(別名黄金数)

   n=2 第二金属数 (2+√(22+4))/2 = 1+√13       = 2.4142(別名白銀数)

   n=3 第三金属数 (3+√(32+4))/2 =(3+√13)/2  = 1.6180(別名青銅数)

   n=4 第四金属数 (4+√(42+4))/2 = 2+√5)      = 4.236

        ...

   n=n 第n金属数 (n+√(n2+4))/2 = 2+√5)      = 4.236

 

 黄金分割数は以前に述べたように自然界や多くの絵画・建築物に見られることが知られています.白銀数はプラチナ比とも呼ばれやはり多くのデザインで使用されるそうです.今回は貴金属比の一般式

   n+√(n2+4))/2:1

がどのようにして得られるのかを計算してみました.

 最初に1次元の分割(線分,紐)を考えます.

 線分の長さをLとします.左端から長さaの点を線分の分割点とします.分割点から右端までの長さをbとします.そうすると

   L= a + b                                                          (1)

となります.ここで

   L/a = a/b = τ (L:a = a:b)                  (2)

が成立するようにします.つまり,全体の長さLと左端の点から分割点までの長さaの比は,左端の点から分割点までの長さaと分割点から右端点までの長さbの比に等しくします.式(2)から

   L = τa

   b = a /τ

が得られます.これを式(1)に代入すると

   τa = a + a /τ

が得られます.両辺をaで割り,両辺にτを乗じると

   τ2 = τ+ 1

が得られます.これから

   τ2 -τ- 1 = 0

の二次方程式を得ます.解(根)の公式を使って

   τ = (1+√(1+ 4) )/2 = (1+√5) /2 = 1.618

が得られます.これが第一貴金属黄比であり,黄金数です.a =1とするとL =τ,b = 1/τ= 0.618となります.逆に長さLが与えられると,左端から分割点までの長さは,a = L /τ= L / 1.618 = 0.618Lとなります.また,分割点から左端までの長さは,b = L - a = L - 0.618L = 0.382Lとなります.aとbの比は

   a:b = 0.618L:0.382L = 0.618:0.382

となり,約6:4となります.

 次に,以下のような分割を線分に対して行います.

 線分の長さをLとします.左端から長さ2aの点を線分の分割点とします.分割点から右端までの長さをbとします.そうすると

   L= 2a + b                                                        (3)

となります.ここで,やはり,

   L/a = a/b = τ (L:a = a:b)                  (4)

が成立するようにします.式(4)から得られるL = τa及びb = a /τを用いてこれらを式(3)に代入して

   τa = 2a + a /τ

が得られます.前回と同じ計算をすると

   τ2 -2τ- 1 = 0

の二次方程式を得ます.解の公式を適用すると

   τ = (2+√(22+ 4) )/2 = (2+2√2) /2 = 1+√2 = 2.412

が得られます.これが第二貴金属黄比となり,白銀数です.a = 1とすると,L =τ= 2.412,

b = 1/τ= 0.412となります.逆に 長さLが与えられるとa = L/τ=0.703L,b = a/τ= 0.295Lとなります.aとbの比は

   a:b = 0.703L:0.295L = 0.703:0.295

となり,約7:3となります.

 同じようにして線分の長さをLとし,左端から長さnaの点を線分の分割点とします.先と同じ計算をすると

   τ2 -nτ- 1 = 0 (nは整数)

の二次方程式を得ますから,解(根)の公式を使って

   τ = (n+√(n2+ 4)) /2

が得られます.これが最初に述べた貴金属数の一般式になります.

 貴金属比の方程式は面白い性質を持っています.2次方程式τ2 -nτ- 1 = 0を以下のように変形します.

   τ2 − 1 = nτ

次に両辺をτで割って

   τ− 1/τ = n

が得られます.これは自身の数から逆数を引くと整数になることを意味します.黄金数では

   τ− 1/τ = 1

です.黄金数ではτ= 1.618, 1/τ=0.618ですから引き算をすると確かに整数1になります.

 

 余談ですが,ネクタイピンを黄金数である6:4で止めるか,プラチナ数である7:3で止めるか,または4:6か3:7で止めるかは個人の美意識で興味あるところです.

経営ブログ著者一覧
長澤 康夫代表取締役社長長澤 康夫
成田 輝満取締役成田 輝満
加藤 哲也取締役加藤 哲也
久末 博昭取締役久末 博昭
古川 正志監査役古川 正志

月別アーカイブ

過去の記事一覧

  • RSS FEED
  • RSS FEED
  • ビジネスパートナー募集