今回は日々の業務の中で私たちが時に目を背けがちな現実、そしてその改善の必要性について書きたいと思います。
某SaaS型の経費精算アプリのCMで、「なんとかなっているのは、誰かがなんとかしているから」と女性社員が叫んでいるのを目にして、まさにその通りだなと思いました。
目の前の危機を特定の誰かの献身的な努力や時間外労働、あるいは個人のスキルや経験によって乗り切っている現状が少なからず存在しており、これは私達IT企業おいても避けて通れない課題です。
「今日もなんとか終わった」「このプロジェクトもトラブルがありつつなんとかなった」
日々の業務の中で、このような言葉を何度か口にすることがあるかもしれません。しかし、その「なんとかなっている」の裏側には、見過ごされてきた多くの課題が潜んでいるのではないでしょうか。
もちろん、社員一人ひとりの責任感や問題解決能力は、組織にとって非常に重要な財産です。しかし、もしその「なんとかなっている」が、上司の甘い見込みや、一部社員の善意に過度に依存している企業体質があるのだとしたら、それは健全な状態とは言えません。
例えば、
不十分な計画と見積もりは、現場のエンジニアが連日のように徹夜で対応を迫られる。
曖昧な責任範囲と属人化は、その社員が不在になった途端、業務が滞ってしまう。
これらの状況は「誰かがなんとかしてくれる」という暗黙の期待感を生み出し、結果として、一部の社員に過度な負担を強いることになります。
その対策としては、
過去の事例や実績を分析し客観的なデータに基づいた現実的で余裕を持った計画と見積もり。
明確な役割分担と業務プロセスを標準化して属人化しない体制構築。
などが考えられます。
「なんとかなっている」という現状に甘んじることなく、その裏側にある構造的な課題に目を向け、組織全体で改善に取り組んでいくことが重要なことではないでしょうか。