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経営ブログ

2025.09.01

壁はチャンス!プロジェクトを前に進めるコツ

取締役 小林 寛展

プロジェクトを進める中で、すべてが順調にいくことは多くありません。プロジェクトリーダー(PL)が直面する「壁」には、対応が難しいものもあります。

大切なのは、実際にある「壁」の数と、PL自身が認識している「壁」の数に差が出ないようにすることです。認識が遅れると、課題の解決に時間がかかり、結果としてチーム全体に負担が増えてしまいます。

ここで重要な役割を果たすのが、PLを束ねる部門長です。正確な業務報告を受け取り、必要な手を早めに打つことで、リカバリーにかかる労力を最小限に抑えられます。

課題や壁は避けられませんが、早く気づき、早く動くことでチャンスに変えることができます。自戒の念を持ってブログにアップいたします。

チーム(組織)全体で前向きに取り組んでいきましょう。

2025.08.25

コリオリの力 -その1-

監査役 古川 正志

 3ヶ月ほど前に天気予報を見ていて、温暖前線と寒冷前線がなぜできるのか中学校の理科で教わったことをぼっと思い出しました。私の記憶は以下のようなものです。温暖前線は暖かい空気団が冷たい空気団の上にのしかかりそのときにできる上昇気流が雨雲(積乱雲)を作る、寒冷前線は逆に冷たい空気団が暖かい空気団に滑り込みそのときにできる上昇気流が雨雲(層雲)を作るためです。遠い記憶なので、正確でないかも知れません。

 天気図で二つの前線は低気圧の中心から大体は漢字の八の字のような曲線上に半円と三角形の記号で描かれています。右側に伸びる曲線が温暖前線で半円は直径側が曲線の上側に接し、丸み側その上部に描かれています。左側に伸びる曲線は寒冷前線で、三角形は底辺が曲線の下側に接し頂点がその下側に描かれています。半円の向きは暖かい空気団が半円の下部から冷たい空気団へと丸みの方向へのし上がっている、三角形の向きは冷たい空気団が三角形の底辺から暖かい空気団に三角形の頂点の方向に滑り込んでいることを表しているのだと気づきました。
 
 たわいないことかも知れませんが、梅雨前線は前線の上側(北側)に半円、下側(南側)に三角形が交互に描かれているのは、南の暖かい空気団と北の冷たい空気団の勢力が拮抗し、押し合いへし合いをしている様子を示していると最近になり気づきました。
 
 ところで、気圧の高い空気が気圧の低い空気に向かって流れ込むのは、水が高いところから低いところに流れるのと同じで分かります。一般には地球上では赤道付近の空気団が温かく(気圧が高く)、北極へ向かうに従って冷たい空気団(気圧が低い)になります。従って、空気の流れつまり風は南から北に流れます。しかし、よく聞く話は地球上の高度が高いところでは偏西風と呼ばれる風が吹いています。この風によって低気圧は反時計回りに低気圧の中心に吹き込み、高気圧は逆に中心から反時計回りに外に吹き込む風になっています。特に、台風では反時計回りに渦を作るような強力な風が吹き込みます。この偏西風や台風の強力な反時計回りの風がなぜ生じるのかについて遠い記憶ですがコリオリの力が働いているからだと思い出しました。そこで、コリオリの力を考えてみました。
 
 コリオリの力を簡単に説明するには、ベクトル積(外積)による運動方程式の記述を用いるのが簡単なのですが、ベクトル積は教わったことがない、あるいは苦手な場合もあるかと思い、ベクトルの回転座標で運動方程式を記述してみました。そうするとページ数がA4で6ページほどになってしまいましたので、3回に分けて書いてみることにしました。それでもベクトルと運動方程式(微分計算)が苦手な場合は読み飛ばしてください。
 
 普通の座標のように水平にx軸、それと垂直方向にy軸となる座標系を設定します。x軸とy軸の交点を座標軸の原点とします。この座標系をx-y座標系と名付けます。ついで、このx-y座標系を反時計回りにθ回転し新しくできた座標系をX-Y座標系と名付けます。x-y座標系を静止座標系、X-Y座標系を回転座標系と呼ぶことにします。この二つの座標系を考えながら回転する座標系での力を順番に考えていきます。今回は静止座標系(宇宙全体)から見て回転座標系(地球上)の座標がどのように記述できるかを説明します。これは電車の中の運動が電車の外から見ている運動としてどのように見えるかと同じ考え方です。

(1)静止座標系から見た回転座標系の座標
 静止座標系での力の関係を計算します。回転座標系が静止座標系から反時計回りにθ回転した時のX座標の単位ベクトルをe-x、Y座標系をe-yとします。e-xとe-yは回転座標系の基底ベクトルと呼ばれます。これらの単位ベクトルは、静止座標系から見ると
   e-x = [cosθ sinθ]、 e-y = [-sinθ cosθ]
となります。
 回転座標系での一点[X Y]をベクトルrで表すと、ベクトルrは静止座標系では
   r = X e-x + Y e-y
となります。

(2)静止座標系から見た回転座標系の基底ベクトルの速度ベクトル
 回転座標系は、常に回転しているとし、基底ベクトルの時間変化を静止座標系から計算してみます。時間変化は時間tで微分すれば得られます。そこで二つの単位ベクトルをtで微分してみると
   d e-x/dt = [-(dθ/dt) sinθ (dθ/dt) cosθ]
   d e-y/dt = [-(dθ/dt) cosθ -(dθ/dt) sinθ]
が得られます。回転角の時間変化dθ/dtは角速度と呼ばれるものです。習慣に従って角速度を
   ω= dθ/dt
とすると、基底ベクトルの時間変化は
   d e-x/dt = [-ωsinθ ωcosθ] = ωe-y
   d e-y/dt = [-ωcosθ -ωsinθ] = -ωe-x
となります。くどいようですが、この変化は静止座標系から見た時間変化になります。ベクトルの内積が0になるときは、二つのベクトルが直交する(直角に交わる)場合です。基底ベクトル[e-x e-y]と基底ベクトルの時間変化ベクトル[d e-x/dt d e-y/dt]の内積計算(ベクトルの同じ場所の要素を乗じて加える)をすると
   [e-x e-y] ・ [d e-x/dt d e-y/dt]
= [e-x e-y] ・[ωe-y ωe-x]
=ωe-x・e-y - ωe-x・e-y
= 0
となりますから、これら二つのベクトルは直交します。

 次回からは
(3)回転座標系の点の静止座標系から見た速度ベクトル
(4)回転座標系の点の静止座標系から見た加速度ベクトル
(5)回転座標系の点に加わる外力の静止座標系から見た力の運動方程式
(6)回転座標系の点の外力に加わる見かけの力
 と話を進めていきます。(6)で求められる回転座標系の見かけの力がコリオリの力となります。
 
 ふと思い出したのですが、遠い昔にワシントンの科学博物館を見学に行ったことがあります。そこには巨大な振り子が高い天井から下げられていて、直径2mほどの円周上に配置したボーリングのピンのようなピンを順番に倒していく実験が公開されていました。この振り子はコーシーの振り子と呼ばれるもので、地球の自転を証明していますが、この振り子が円周上を右回りに移動してピンを倒していく理由がコリオリの力とも言われています。

2025.08.18

終戦80年、失敗を認めて敗戦処理をするには勇気がいた、ビジネスも一緒・・・

相談役 長澤 康夫

 先週は終戦80年の話題がずいぶん多かったような気がします。私個人は終戦から2年後に生まれてきましたので実体験はもちろんありませんが、先日の道新によると終戦の判断がもし遅れたらどうなっただろうか・・1,原爆投下の次の3番目の予定地は実は札幌であった。 2,ソ連は北方領土に止まらず北海道の北半分を占領し現在の北朝鮮的な国家を作り上げたかもしれない。・・とあった。なんとも恐ろしい北海道になっていたかもしれませんね。最後まで本土決戦で戦い抜くんだという陸軍を抑えながら、なんとか天皇の玉音放送で戦争終結させた当時の政治家達の苦悩は、とても私なんぞには評論する資格などはもちろんありませんが大変なことだったと想像します。

 実は我々ITの世界にもこの止めることの判断がとても難しいことが存在します。ソフト会社として成長していくためのある意味越えなければならない壁の一つですがそれは「請負契約」です。例えばお客様のシステムを10億円で作り変えてくれませんか、とお客様から言われて受注したケースです。まあ、よくわかんないけど10億あれば何とかなるんじゃない、と思って受注したケースです。お客様は10億円の予算で確定できましたから喜んでますし、ソフト会社は10億規模のビジネスをゲットできますからホクホクです。

 当初は、ニコニコしてスタートしたプロジェクトでしたが時間とともに暗い顔に変わっていきます。お客様の最終要件は二転三転で決まらず、ソフト会社側も必要なスキルを用意できないでズルズルと日が経ってしまっている、まあ一面的にしか表現できませんが、プロジェクトとしては早く中断させるか、またはお客様に予算を増額してもらうか、二者択一の世界に追いやられます。

 私の社長時代にも体験しました。請負契約を解約することによって銀行にお金を払えなくなりました、その代わりに東京のお客様に資金繰りのお願いをしました。その結果を羽田空港から顧問弁護士に電話しました。多分うまくいかないだろうと思っていた先生は開口一番「社長、自己破産の方法しっかり教えてやるから頑張って」、「いやいやそうじゃなくて今回は当面は乗り切れたものですから」といった私ですが頭の中に初めて破産するという現実が想像されました。正確に言うと「今、あのプロジェクトの請負契約は降りたけど何とか乗り切れるかもしれない」ということを先生に話したかったわけですが、実は自分自身が断崖絶壁にいることがよくわかりました。

 それにしても戦争とソフトの請負開発では次元があまりにも違いすぎました、すみません。
始めるより止めることの難しさ、ようく考えてみれば、代表的なものが身近にありました・・・酒とタバコでした。
 長文にて失礼いたしました。

2025.08.04

乗馬体験

代表取締役会長 澤田 知宏

 昨年から2回目になりますが、乗馬体験をして来ました。
今までに引馬は何度か体験して来ましたが、ホーストレッキングは中々ハードルが高いと思い体験していませんでした。
まだ2度目ですが、基本的には馬が上手に乗せてくれて上手に歩いてくれます。
自分でコントロールしている様な気になっていますが、よほどの事がない限り馬は決まったルートを決まった様に歩いてくれているのだと思います。
時々、道端の草を食べようとコースを外れる事があります。まさに「道草を食う」です。
でも、馬の気持ちになってみたら十分わかる気がします。毎日毎日同じ道を同じ様に素人さんを乗せて歩いているのですから、たまには自由に違った道を歩きたいですよね・・・。
それでもお馬さんには申し訳ないけど、馬上は思ったよりも高さもあり、とても快適にトレッキングする事が出来ました。また、乗馬は自然と姿勢が良くなるのかもしれません。
普段意識していないと、ついつい背中が丸くなります、トレーナーさんから何度も姿勢を直されました。
 乗馬しているところを写真に撮ってもらったのを見てみると、背筋が伸びていないのがわかります。背中が丸くなり、顎が前出て、腰が曲がり、姿勢が悪い状態になってしまっている様です。普段からこの様なのでしょうね・・・。
 乗馬は特に趣味と言う訳ではありませんが、年に1度程度体験させていただいています。
私の父が獣医だった事もあり、馬に接する機会もありましたが、いざ乗馬となると意外と恐怖感の様な不安が湧いてきます、これも慣れる事で変わって来るのだと思いますが、そのためにはもう少し経験が必要の様です。
何でもそうですが、経験を積む事で不安が薄らいできます、失敗も成功も含めて経験は重要だと思っています。
皆さんはどんな事にハマっていて、どの様な経験を積まれているのでしょうか?
機会があったら是非聞かせて下さい。

2025.07.28

なぜ今サーバントリーダーシップなのか?

専務取締役 加藤 哲也

このブログでも折に触れていますが、IT業界とそれを取り巻く環境は急速な変化をしており、技術革新のスピードもますます速くなっています。
そうした中で様々な課題が発生するので、プロジェクトやチームにおいてのリーダーシップが問われる場面が増えてきているのも事実です。
というのも現場の環境と技術は多様化しておりその全てを従来型のトップダウン型あるいはマイクロマネジメントのリーダーシップでは対応しきれない課題が増えてきているからです。
そこで注目されているのがサーバントリーダーシップです。

サーバントリーダーシップとは、「Servant(奉仕する)」という言葉が示すように、メンバーの成長を最優先に考え、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えるなど、メンバーのことを支えるリーダーシップのことです。

現在のIT企業では、
 ・自律性の尊重: 高度な専門性を持つITエンジニアには、マイクロマネジメントではなく、自律的な働き方を促すこと。
 ・イノベーションの促進: メンバーが安心して意見を出し、失敗を恐れずに挑戦できる心理的安全性が担保された環境が、新しい技術やサービスを生み出す土壌となる。
 ・エンゲージメント向上: メンバーが「支えられている」と感じることで、組織への貢献意欲が高まり、離職率の低下に繋げる。
 ・変化への適応力: 変化の激しいIT業界において、現場の声を吸い上げ、迅速に対応できる柔軟な組織を作る。
などが重要になってきていますので、これらを実現するためにサーバントリーダーシップが必要と言われています。

上記の事を踏まえると管理職の在り方としてサーバントリーダーシップが注目されるのも頷けます。
しかし、本当に奉仕するあるいは支えるだけで良いのでしょうか?時代の流れというだけでサーバントリーダーシップに飛びつくのはいささか危険を感じます。
時に管理職はトップダウン型のリーダーシップのように、自身での判断を求められたり強い推進力が求められます。
つまり、サーバントリーダーシップだけでもトップダウン型リーダーシップだけでも対応しきれない課題があり白か黒かのような問題ではなく、先に記載した2つの複合型リーダーシップで、状況に応じてその割合を変えつつのグレイな対応が必要なのです。

その結果、「チームの生産性向上」「メンバーのモチベーション向上」「新しい技術やサービスの創出」「顧客満足度の向上」などの具体的な成果が得られれば、組織の未来像として「社員一人ひとりが輝き、自律的に挑戦できる組織」だったり「変化に強く、持続的に成長できる企業」といった結果につながると考えます。

あなた(とあなたの環境)に合ったあなただけのリーダーシップを考えてみてください。

経営ブログ著者一覧
澤田 知宏代表取締役会長澤田 知宏
成田 輝満代表取締役社長成田 輝満
加藤 哲也専務取締役加藤 哲也
小林 寛展取締役小林 寛展
古川 正志監査役古川 正志
長澤 康夫相談役長澤 康夫

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