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経営ブログ

2025.09.16

「努力は報われる」は本当か?

専務取締役 加藤 哲也

努力というものは厄介なもので、自分は努力している(頑張っている)と思っていても、他人から見たらそうでない評価の場合があります。
実際に他人から見て努力していると思われていても、成果を出さなければ評価されないという現実もあります。
IT業界(他の業界にも言えることですが)で働く人の多くが感じている成果を出さなければ努力が認められないという現実のプレッシャーを、このブログを読んでくださっている皆さんも少なからず感じていることと思います。

「努力」は主観的なもので、「苦労」もまた同様です。
自分の努力と他人の努力のどちらが大きいかを測る指標は存在しません。
そうすると、多くの場合は成果で努力の量を判断するしかありません。
つまり、成功している人はたくさん努力した人、成功していない人は努力が足りない人、となる訳です。
そうなると、成果が出ない限りどんなに努力していても実は努力が足りない、という結論になります。
このように努力を評価する概念を「成果主義的努力観」というそうです。

成果主義的努力感では、成果が出ない限り努力が認められない訳ですから、せっかく努力していても、どんなに苦労をしていても評価が伴わないことでネガティブ思考に陥り、努力しても無駄だと考えたり、成果を出さなければというプレッシャーで精神的に追い込まれたり、挑戦することを恐れたりするなど、心理的安全性が損なわれてしまい、成果主義的努力感の罠にはまるのです。

成果主義的努力感の弊害は、努力する側ではなく、努力を評価する側に多くの問題があると考えます。
単に結果だけを評価するのではなく、プロセスやそこから得られた学びも評価対象とすることが重要であり、失敗から得られた知見が、未来の成功に繋がるはずなのでプロセスと失敗と失敗した後の行動こそ評価すべきです。
一方で努力する側も努力すれば必ず報われるなどと夢を見るのではなく、努力しても失敗あるのが当たり前と捉え、成功したら努力の方向性が間違っていなかったと素直に喜べば良いのです。
あとは他人が勝手に努力を認めてくれます。
「努力」は結果を出すための手段であり、単なる「頑張り」で終わらせないためには、失敗を知ることが重要で、失敗とまで言わなくても成功を改善していく、つまり自分が取り組んだことについてPDCAを継続的に行うことで成果に結びつけていく必要があります。

努力は一時的なものではなく、継続的に取り組んでこそ努力したと胸を張って言えるのではないでしょうか。
そして、それを成果に結びつけるために、皆さんもご自身の努力というものを見直してみてはいかがでしょう。

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