先週は終戦80年の話題がずいぶん多かったような気がします。私個人は終戦から2年後に生まれてきましたので実体験はもちろんありませんが、先日の道新によると終戦の判断がもし遅れたらどうなっただろうか・・1,原爆投下の次の3番目の予定地は実は札幌であった。 2,ソ連は北方領土に止まらず北海道の北半分を占領し現在の北朝鮮的な国家を作り上げたかもしれない。・・とあった。なんとも恐ろしい北海道になっていたかもしれませんね。最後まで本土決戦で戦い抜くんだという陸軍を抑えながら、なんとか天皇の玉音放送で戦争終結させた当時の政治家達の苦悩は、とても私なんぞには評論する資格などはもちろんありませんが大変なことだったと想像します。
実は我々ITの世界にもこの止めることの判断がとても難しいことが存在します。ソフト会社として成長していくためのある意味越えなければならない壁の一つですがそれは「請負契約」です。例えばお客様のシステムを10億円で作り変えてくれませんか、とお客様から言われて受注したケースです。まあ、よくわかんないけど10億あれば何とかなるんじゃない、と思って受注したケースです。お客様は10億円の予算で確定できましたから喜んでますし、ソフト会社は10億規模のビジネスをゲットできますからホクホクです。
当初は、ニコニコしてスタートしたプロジェクトでしたが時間とともに暗い顔に変わっていきます。お客様の最終要件は二転三転で決まらず、ソフト会社側も必要なスキルを用意できないでズルズルと日が経ってしまっている、まあ一面的にしか表現できませんが、プロジェクトとしては早く中断させるか、またはお客様に予算を増額してもらうか、二者択一の世界に追いやられます。
私の社長時代にも体験しました。請負契約を解約することによって銀行にお金を払えなくなりました、その代わりに東京のお客様に資金繰りのお願いをしました。その結果を羽田空港から顧問弁護士に電話しました。多分うまくいかないだろうと思っていた先生は開口一番「社長、自己破産の方法しっかり教えてやるから頑張って」、「いやいやそうじゃなくて今回は当面は乗り切れたものですから」といった私ですが頭の中に初めて破産するという現実が想像されました。正確に言うと「今、あのプロジェクトの請負契約は降りたけど何とか乗り切れるかもしれない」ということを先生に話したかったわけですが、実は自分自身が断崖絶壁にいることがよくわかりました。
それにしても戦争とソフトの請負開発では次元があまりにも違いすぎました、すみません。
始めるより止めることの難しさ、ようく考えてみれば、代表的なものが身近にありました・・・酒とタバコでした。
長文にて失礼いたしました。