HOME  > 経営ブログ > 取締役 加藤 哲也 > 責任分界点

経営ブログ

2023.02.06

責任分界点

取締役 加藤 哲也

「責任分界点」という言葉はあまり聞き馴染みが無い言葉かもしれません。
読んで字の如く責任を分けている点のことで、責任範囲を明確にする際に使われる言葉です。
システム開発や運用・保守のみならず、ビジネスにおいても責任範囲を明確にすることは非常に重要なことなのですが、ともすればそこに落とし穴が待っていることがあります。

以下のような経験はありませんか?
①役割や仕事の範囲を明確にするために責任分界点を明確にする提案をするが、何故だか責任範囲を明確にしたがらない。
②責任分界点を決めたものの、責任範囲の明確化=決められたこと、言われたことになってしまいそれしかやらない。
③責任分界点を決めていることで各々の仕事がうまく回っているが、想定外の仕事が発生したりトラブルの要因がはっきりしない時に揉めてしまった。

①は、あれこれ理由をつけて責任範囲を明確にしないことで自分の仕事ではないと責任を押し付け合う状況。
②は、自分の仕事に集中はしているが、思考停止に陥って余計な仕事を増やすなよオーラを出している状況。
③は、担当外の仕事の責任を負いたくない、トラブルの責任を負いたくない等の逃避的な状況
いずれも、組織が縦割りで全体として機能していない場合に起こりがちなことだと思います。

「責任」という言葉が、重い、面倒な事、余計な事を連想させるのか、ネガティブな方向に進んでしまうようです。
そもそも責任分界点を決めて責任範囲を明確にする目的は、想定内の仕事の見える化や効率化だけではなく、想定外の仕事やトラブルにおける対応の迅速化もあります。
責任分界点を明確にすることだけでは不十分で、責任の一部を組織間で共有しコミュニケーションを取り想定外の仕事やトラブルへの対応力を上げていく必要があります。

仕事を全てがうまく進む前提ではなく、想定外が起こりうることを前提に考えることが重要です。

経営ブログ著者一覧
澤田 知宏代表取締役社長澤田 知宏
成田 輝満取締役成田 輝満
加藤 哲也取締役加藤 哲也
古川 正志監査役古川 正志

月別アーカイブ

過去の記事一覧

  • RSS FEED
  • RSS FEED
  • ビジネスパートナー募集