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経営ブログ

2026.07.21

仕事の「型」を身につけるということ

専務取締役 加藤 哲也

今回と次回の2回に渡り「守破離(しゅはり)」という思想についてお話ししたいと思います。
1回目の今回はその守破離の「守」の意味と、価値についてです。

以前に退職した若手の退職理由に、「自分が思う(思い描く)ような開発ができない(させてもらえない)から」というものが、ずっと心に残っています。
もっと自分のアイデアを試したい、最初から裁量を持ってやりたい。その熱意や、成長を急ぎたいという気持ちは、私にも理解できます。
と同時に、「もっと彼らの思いを受けて何かできたのではないか」と、役員として少し悔しい気持ちが残ったのも事実です。

ビジネスに限らず、何かの世界で早く成果を出したい、オリジナリティを発揮したいと焦る気持ちは、誰もが通る道だと思います。
そんな時に、私が思い出した言葉があります。皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれない、「守破離(しゅはり)」という思想です。
物事をマスターし、イノベーションを起こすまでには「守」「破」「離」という3つのステップがある、という教えです。
「守」:先輩や会社の基本・マニュアルを徹底的に真似る
「破」:基本をもとに、自分なりの改善や工夫を加える
「離」:これまでの型を飛び越え、独自の新しい価値を生み出す

先の社員が求めていたのは、まさに「破」や「離」のフェーズだったのだろうと思います。
ですが、ここが一番大切なポイントなのです。「圧倒的な『守』の土台があって初めて、『破』や『離』が生まれる」ということです。
私自身の若い頃(仕事やスポーツにおいて)を振り返っても、最初は地味な基礎練習や、先輩のやり方の「真似」ばかりでした。当時は「もっと他に良いやり方があるのに」と生意気にも反発したくなる瞬間もありましたが、今になって分かります。あの時、徹底的に「型」を覚えたからこそ、後になって応用が効くようになり、ピンチの時にもブレない自分の軸ができたのだと。
基礎がないままオリジナリティに走ってしまうと、それは「型破り」ではなく、ただの「形無し(自己満足)」になってしまう危険があるのです。

今、皆さんや当社の社員のなかでも「もっとこうしたいのに、なんで基本ばかりやらされるんだ」と、もどかしさを感じている人がいるかもしれません。
でも安心してください。私たちが皆さんにまず「型」を覚えてほしいと言っているのは、個性を潰したいからでは絶対にありません。むしろ逆です。将来、皆さんが誰にも真似できない大きな「破」や「離」を達成して大活躍するための土台になる基礎的な力を、今まさに培っている最中なのです。

焦らなくて大丈夫。まずは今目の前にある「基本」を、誰よりもクオリティ高くこなせるようになってみてください。
その先にある面白いステージが見えてくると思います。

次回は、この続き。「守」をマスターした後の「破」と「離」――つまり、自分の力だけでなく会社を巻き込んでどうイノベーションを起こしていくか、という話をしようと思います。
どうぞお楽しみに!

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