ブロック形状(長方形)の空き地(例えば駐車場)を斜めに横断すると近道になるのは生活の経験で誰もが知っていることです。ところでこの近道は長方形の辺に沿って対角の地点へ行く歩き方に比べて何%くらい近いのかを考えたりしないでしょうか。これは直角三角形のピタゴラスの定理を使えば簡単に計算できます。
例えば30mと10mの長方形の空き地を斜めに横切ったとします。正方形の辺に沿って歩けば30m+10m=40mを歩くことになります。斜めに歩いた時は、長方形の一つの辺をa、もう一つの辺をb、斜めの道(辺)をcとするとこの3つの辺は中学校で教わるピタゴラスの式から
c2 = a2 + b2
が成立しています。これを解くと
c = √(a2 + b2)
が得られます。この式にa=30, b=10を当てはめると
c = √(30x30 + 10x10)
= √1000
=31.6
を得ることができます。つまり斜めに近道をすると8.3mほど短い距離を歩くことになります。約20%楽をしたことになります。同じ計算をすると正方形のブロックの近道は一辺が10mとすると
c = √(10x10 + 10x10)
= √200
=14.12
ですから20mを歩かなければならないところを約14mで済み、約6m楽をしたことになります。
ところでピタゴラスの定理を証明してごらんと言われると中々厄介なものになります。中学では幾何学的に証明を教わった記憶があるのですが、厄介だったとの記憶しかありません。
もし高校で教わる余弦定理を知っていれば
c2 = a2 + b2 - 2abcosθ
から導くことができます。aとbはある角を挟む二つの辺の長さ、cは残りの辺、θはある角の大きさです。そうするとある角θが90度であれば、この三角形は直角三角形となり
cos 90°= 0
ですから
c2 = a2 + b2
が成立し、ピタゴラスの定理が得られます。でも三角関数cosθが苦手という場合はどうしましょう。
そこで辺の長さがXの正方形を用意します。正方形の4つの辺を長さaとbに全て時計回りに分けます。ここで
X = a + b
が成立します。正方形の4つの頂点は長さaとbの辺の交わりとなります。ここで長さaの辺の頂点と長さbの辺の頂点を各正方形の頂点を真ん中にするように繋ぎ、4つの直角三角形を作ります。そして繋いだ辺の長さをcとします。
ここで正方形の面積を計算します。長さXの正方形の面積Sは
S = X x X
= (a + b)x(a+b)
となります。正方形の中にできた4つの直角三角形の合計した面積S1は
S1 = 4 x [(1/2)axb]
= 2 axb
になります。4つの直角三角形に囲まれな正方形の内部は一辺の長さがcの正方形ですからこの面積S2は
S2 = c2
になります。
正方形全体の面積は4つの直角三角形と内部にできた正方形の面積を足したものに等しくなりますから
S = S1 + S2
が成立します。先に求めた値を代入すると
(a + b)x(a+b) ¬= 2 axb + c2
が得られます。これを整理すると
c2 = a2 + b2
が得られ、ピタゴラスの定理が証明されます。
でもこんな長い証明もいやと思うかも知れません。最も短い証明は以下です。
直角三角形を用意し、直角を挟む2つの辺の長さをそれぞれaとbとします。直角の向かいの辺の長さをcとします。ここで直角となる頂点から向かいの辺に垂線を下ろします(辺に直行するような直線)。そうするとこの垂線で分割された二つの三角形と、全体の三角形は全て直角の頂点の向かいの辺の長さがa、b、cとなる相似な三角形となります。
全体の三角形の面積をS、分割された二つの三角形の面積をそれぞれS1とS2とすると面積は辺の2乗に比例しますから、比例係数をEとするとS = S1 + S2から
Ec2 = Ea2 +Eb2
が成立します。これから
c2 = a2 + b2
が得られ、ピタゴラスの定理が証明されます。Ec2はどこかで見たことがありかと思います。この証明はアインシュタインが作ったと言われています。
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2024.04.23
近道とピタゴラスの定理
2024.04.15
気の持ちよう
4月になり新入社員を迎えた一方で、来年度の新卒採用が始まっています。
学生の皆さんは就職活動に忙しい方もいらっしゃることと思います。
私が学生の時を思い返すと物事が上手くいく前提で考えていたような気がします。
言い方を変えるとポジティブ過ぎるくらいに前向きに考えていました。
学生の時はまだそれでも良かったのですが、社会に出ると上手くいかない事の方が多くなってきて、上手くいくあるいは順調にいく前提で考えていますからいちいち落胆したり、頭に来たり、誰かのせいにしたりする訳です。
この無駄にポジティブな考え方も様々な経験を経て、今ではむしろネガティブに考えるようになっています。
ネガティブというとマイナスなイメージを持たれるかもしれませんが、けっしてマイナスなものではありません。
当然ながら上手くいくための努力をすることを前提として、努力をしても上手くいかなくて当たり前と物事を考えるようにしています。
最大限に努力をしても上手くいかないことの方が多いと考えることで、上手くいかなくても落ち込みは大きくありませんし、上手くいかなかった時に素早く切り替えてポジティブに対策を考えることが出来ます。
そして、上手くいったときの喜びも大きくなるという効果もあります。
ある事象に直面するときの気持ちがネガティブであっても、その結果に対してはポジティブになれるということです。
なんだか理屈っぽい話になってしまいましたが、物事の捉え方も気の持ちようでネガティブになったりポジティブにもなります。
気の持ちようという楽観的な言葉でも、自身の心をコントロールするために上手く活用できるといいですね。
就職活動も必ずしも自分の思ったようにはならないことが多いですが、気の持ちようで自分の心をしっかりコントロールして臨んでもらえればと思います。
2024.04.08
新入社員
今年も新入社員が入社しました。
これからの数ケ月間は、外部研修やOJTなど学びが中心の業務となりますが、基礎が学べる重要な時期ですので、自信になる言葉に出会える事を期待しています。
新卒採用も売手市場の中から選ばれる会社になるための工夫や施策は、売上増加、利益拡大のための施策と同等レベルか、それ以上の状況です。普通に考えれば人口減少の継続で、現状のままであれば採用ゼロの時代が、そう近くない時期に到達する。
人口という市場が変わったのだから、会社も変わらなくてならない。雇用形態も含めて、変えていくべき時期なのでしょう。そして、それはより質を求める社会の変化に対応していく事にもなる。
2024.04.01
新年度に向けて
北海道もやっと春めいてまいりました。今月には桜前線も北上して来ると予想されています。毎年の事ではありますがタイヤ交換を済ませて、満開の桜の花を愛でると何とも言えず「ほっと」します。昔から「花より団子」とは良く言われますが、この歳になると何故か「花」であったり「月」であったり、まさに「花鳥風月」に心を奪われます。子供の頃には星空を良く見ていましたが、「月」を見て心が落ち着くなんて感情はなかったと思います。
これからは有人月探査「アルテミス計画」で月に基地を建設する計画も進められようとしている時代ですが、科学とは違った側面で月を愛でるギャップが何とも言えません。
IT技術も然りで、色々な不便な事を解決できる時代になって来ます。
弊社も乗り遅れることなく、時代を生き抜く力を持たなければならないと思っております。
しっかりと勉強をして、何事にもチャレンジする気持ちを持ち、時には花を愛でながら「人にやさしいシステム」作りを目指し、世の中の困りごとを解決する企業になりたいと考えています。
但し、いつまでたっても抜けきれないのは、「月見酒」「雪見酒」「花見酒」と風情を楽しんでいる様ですが、結局、お酒が飲みたいだけなのかも知れません。
今年度も引き続きご指導の程、宜しくお願いします。
そしてお付き合い(一献)も、是非お願いします。
2024.03.25
三寒四温
何となくですが、三寒四温という言葉が好きです。
寒い日と温かい日を繰り返して、最終的に温かさが進んでいく感じが文字から伝わってポジティブに思えるそれだけの理由なんですが。
札幌も徐々に陽射しの力が強くなってきて、春の空気を感じる日が増えてきました。
4月になれば温かい日も増えて、本格的に春がやってくるのが楽しみです。
春と言えば、出会いの季節でもあります。
当社では4月から3名の新入社員を迎えます。
縁あってテクノウイングに入社することになった3名との出会いを大切にしていきたいです。
3名の新入社員は、期待と不安の両方があると思いますが、私が感じる三寒四温のようにポジティブに技術者への道を歩み出してもらいたいと思います。
- 2024.04.23近道とピタゴラスの定理
- 2024.04.15気の持ちよう
- 2024.04.08新入社員
- 2024.04.01新年度に向けて
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