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経営ブログ

2025.02.10

デジャブとAI

監査役 古川 正志

 デジャブという言葉があります。長い間、私はこの意味「一度どこかで見たことのある風景に再度出会う、一度聞いたことがある言葉を再度聞く」くらいに受け取っていました。気になったので調べてみると、その意味は既視感でこれは風景なり言葉を初めて見たり聞いたりするのですが、以前に一度経験したことがあると錯覚することだそうです。

 私の間違った意味でのデジャブをテレビの情報番組で経験しました。きっかけは中国の浙江大学OBのベンチャー企業Deep Seekが今年1月に発表した生成AIです。この生成AIの出現でアメリカの半導体メーカであるNVIDIAの株の価値は時価総額にして約5900億ドル(約91兆円)が失われたと報道されました。
 
 多くのニュース番組や情報番組がDeep Seekを取り上げ、AIの専門家が解説や意見を述べていました。この中で私が間違った意味でのデジャブが起こったのです。
 一つは「サム・アルトマンの話では、AIの発展によって私たちの仕事がなくなるのではないか?」の問いに対して、出演者が「AIの発展は人間をより知的で人間らしい高度な仕事に移行していく」と答えたことです。もう一つは、番組に出演した専門家が「ノーベル賞を受賞したジェフリー・E・ヒントン教授は、人間ができる仕事はほとんどAIが行えるようになると話している」語ったことです。

 前者のデジャブは私が1975年頃に出席した生産システム関連の国際学会でM・E・マーチャント博士の講演で聞いた言葉です。マーチャント博士は最新の生産システムの動向として「数値制御工作機械(NC機械)がますます発展し、生産現場に普及する」との予測を講演されました。NC機械とはコンピュータに制御された工作機械です。一度プログラムを作って仕舞えば、ほとんど人手を介さずに機械部品を製作します。これに対して「それでは現在の工場で働く労働者は失業してしまうのではないか?」との質問がありました。マーチャント博士はこの質問に対して「今、工場で働いている労働者はより人間的で創造性のある知的な仕事に就くことができるようになる」と答えていました。これが一つ目のデジャブです。

 もう一つのデジャブは私の恩師である元北海道大学・元京都大学の沖野教郎教授の言葉です。1969年に私たちは沖野研究室に配属されました。沖野教授は当時自動設計を研究テーマとして掲げており、私たちは自動という言葉に魅せられてこの研究室を希望しました。研究室に配属されてまもなく沖野教授は研究室の目的を「人間ができる機械の設計を機械(コンピュータ)に行わさせることが私たちの目標です」と話されました。ノーベル賞を受賞したヒントン教授と同じことを55年ほど前に私たちの研究室は目標としたのです。しかし、当時のコンピュータの能力は腕時計に内蔵されているコンピュータよりも劣るものでした。そのため、自動設計の最初の目標は設計された機械の情報を3次元情報としてデジタル化し、その情報を加工することにより設計に必要な情報(例えば、強度の計算、金型の流体の流れ、先のNC機械によるプログラムの自動化、機械図面の自動生成)を生成することでした。こうして生まれたのが世界で初めての3次元CADシステムだったのです。

 私の間違ったデジャブ感では歴史は繰り返すという言葉も思い出しました。人は時代のエポックにおいてデジャブのようなことを発想するのに少し驚きを感じました。

(サム・アルトマン氏とジェフリー・E・ヒントン教授の言葉はあくまでテレビからの伝聞で実際にそう語ったかのファクト・チェックはしていません。)

2025.02.03

帳尻合せ

取締役 加藤 哲也

北海道民の間では冬の前半に雪が少なくても後半にしっかり降ってその冬の雪の量の帳尻合せをするとよく言われます。

この冬の札幌は、過去に記憶がないくらいに雪が少ない印象です。
こう雪が少ないと、観に行くわけでもないのに札幌の冬イベントのメインである雪まつりの大雪像に影響が出るんじゃないかと心配していました。

しかし、今週に入ってやはり帳尻合せをするように連日雪が降っていて積雪もかなり増えてきています。
自宅の周りを除雪する身としては、出来るだけまとめて降らずにこまめに少しずつ降ってくれれば除雪も少しは楽なのにと恨めしく思ってしまいます。

最低でもあと2カ月は雪の中の生活になりますので、少しでも明るい気持ちで過ごせたらと思っています。
また、当社は3月決算で決算に向けての数字も固まってきていますし、このまま走り切って雪解けと併せて明るい気持ちで年度末を迎えられるようにもうひと頑張りです。

2025.01.20

年賀状じまい

代表取締役社長 澤田 知宏

 新年、あけましておめでとうございます。
少々日にちは経ってしまいましたが、今年もご指導の程、宜しくお願いします。
今年は巳年ですね、巳年は、これまで努力してきたことが実を結びはじめる年だと言われています。
また、蛇は脱皮をすることから、新たな挑戦や変化に前向きになると言われています。
その様な折、最近「年賀状じまい」の話を良く聞く様になりました。
会社でも個人でも区切りをつける人が増えて来ています。
私も個人的には今回を持って終了させていただく事にしました。
物心ついた頃から今まで何十年もの間、年賀状のやりとりをして来ましたが、最近では200枚程度の作成が必要になっていました。
勿論最初は手書きでしたが、年々やり取りする人が増えて来た事により、いつからか年賀状ツールを使って作成していました。
ですので、年賀状のやり取りが特に嫌な訳でもなく、むしろ楽しんでおりましたが、時代が変わり電子化が進む中、更に新しいツールでのやり取りに変わって行く事は必然とも言えます。
但し、媒体が変わっていくだけで、本質は変わっていないと思っています。
むしろ年賀状と同等、またはそれ以上の結果が得られると信じています。
そうは言っても友達からの手書きの年賀状が届くのを心待ちにしていた頃がなんとも懐かしいですし、手紙のやり取りは失ってはいけない物だとも思っています。
正解は解りませんが、人それぞれで良いのだと思います。
それでは、あらためまして今年も宜しくお願いします。

2025.01.14

雪かき0R雪はね

監査役 古川 正志

 テレビでは東北地方の大雪のニュースが流れています。青森の酢が湯温泉では4mを超える積雪と報じています。ところで気になる言葉があります。報道レポーターが「雪かき」が大変ですねとインタビューしています。私たちが子供の頃は除雪を「雪はね」と言っていました。おそらくテレビが普及してから北海道に住む人たちも「雪かき」というようになったのかも知れません。北海道育ちの友人にその話をすると「私は雪かきという」というのです。でも一緒に飲んでいると「そろそろ明日の雪はねが大変だから終わりにしよう」との御宣託でした。やはり北海道で育った人間には頭に本能的に「雪はね」が染み付いているのではないでしょうか。少し調べると、北海道では気温が低いため雪が軽いので「雪はね」になったのではないかとありました。

 子供の頃の旭川は夜の気温が−20度になることがザラではありませんでした。そんな日の夕方に自宅から500mほど離れたお風呂屋さんに通うと、帰りは必ず髪の毛がガチガチと凍ってしまいました。こんな夜を私たちは「しばれる」と言っていたのですが、この言葉は全国化したかも知れません。「しばれる」は、何かの歌の歌詞にあった「凍れる」という言葉に相当するのかも知れません。

 同じように冬の言葉で言えば、私たちは靴、靴下も手袋も「履く」でした。テレビの標準語の普及により今では手袋については「はめる」を使う人が多いようですが、子供の頃の私たちには、親指だけがちょこんとついた楕円形の手袋は「履く」の方が実感があります。

 英国の友人からのメールではこの冬は暖冬で植物が季節を勘違いして花を咲かせているものがあると知らせてきました。日本を含めて地球温暖化による気象異常は世界の人が実感していると改めて思いました。気温の分布は偏西風のうねりで極端になると報道されています。英国がうねりの波の北極に迫り出した方にうねっているならばいくつめの波のうねりで北海道は赤道方向にうねっているのだろうなんて考えました。

 2025年はテクノウイングにとっても私たちにとっても良い年になることを祈念しています。

2025.01.06

謹賀新年

取締役 加藤 哲也

新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

今年は、個人的には還暦を迎えることになります。
還暦 ( かんれき ) とは干支(十干十二支)が一巡し誕生年の干支に還ることを指し、満年齢60歳を迎えた長寿のお祝いとされています。
私は誕生日は特別な日ではなく、365日のうちの1日に過ぎないとずっと考えていました。
現代では60歳で長寿とは言わなくなりましたが、それでも60年という長い年月を生き抜いてきたという意味では60歳の誕生日は特別なものかもしれません。

60年を振り返ると何かを成し遂げたというような大層なものではありませんでした。
残りの人生があと何年あるのかわかりませんけれども、自分なりに目標を立てて生きていきたいとあらためて感じます。
頭の中で目標を考えるだけでなく、15年後くらいまでの毎年の目標を何かに書き残して実行できるようにしていこうと思います。

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加藤 哲也取締役加藤 哲也
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