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経営ブログ

2020.07.10

フラジャイル

取締役 久末 博昭

   外出自粛の時期が長い間続いて,漫画を読む機会が多くなりました。数ヶ月前に,ある新聞記事で医療漫画ベストテンという記事があり,気になって読んだところ全く知らない作品ばかりが並んでいました。試しに絵が綺麗な作品を選んで,レンタルで読み始めたところすっかりはまってしまいました。 

  「フラジャイル」は病理医を主人公にした全く新しい分野の漫画です。原作:草水敏,漫画:恵三朗,単行本は現在17巻まで発刊され,2016年にはTVドラマ化されました。難しい病気の患者を天才的なオペで奇跡的に救う外科医というのが医療漫画の王道だったのですが,この作品は全く違うタイプのヒーローが主人公になっています。 

  主人公である病理医・岸京一郎は直接患者を診るわけで゜もなく,共に病気と戦う訳でもなく,臨床医から依頼された患者の検査データを顕微鏡でひたすら眺めて病気の原因を特定します。意固地で,空気を全く読まず,自分の診断に絶対的な自信をもって,臨床医とぶつかってけんかしながら真の病気の原因をつきとめます。現在日本には病理医は2000人しかいないそうですが,本当にスペシャリストの職業と言えます。漫画の主人公には成りにくいタイプですが,職場でもこういう人から好かれないけど仕事はよくできる人がいますから親近感も覚えます。ストーリー展開が面白く,専門用語が飛び交う,相当高度な内容ですが,飽きずに読むことができます。病理学入門的な面でみても十分役に立つと思います。 

 この漫画のもうひとつのテーマは医薬の世界です。素人にとって全く未知の業界である製薬業界をわかりやすく教えてくれます。製薬会社の女性MRも登場して主人公に絡み,話を盛り上げます。ジェネリック医薬品とはなにか,製薬会社はどのように儲けているのか,医者との関係は,人の命を預かる業界で仕事をする人は日々どのようなストレスのもとで生きているのか。考えると興味はつきません。 

 病理医は,例えば癌か否かの判断をして患者の命を決める重大な責任を負いますが,患者から感謝されることもなく,脚光を浴びることもありません。ひたすら顕微鏡を眺めて病気の診断確定にせまります。どんな組織・企業にも縁の下の力持ちとして責任ある判断を黙々とこなしている人達がいる訳で,そんな人達へのエールとなっている作品です。 

 

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