HOME  > 経営ブログ > 取締役 久末 博昭 > カラオケ番組夢想

経営ブログ

2018.10.01

カラオケ番組夢想

取締役 久末 博昭

  最近は,テレビのカラオケ番組にもだんだん飽きてきて,スコアで100点をだしても,すごいと思うのですが感動することはなくなりました。やはり歌のうまさと人の心を動かすというは別のことかもしれません。わずか2~3分の歌でで強烈な印象を視聴者に残すためには,歌のうまさはもちろんのこと,声や表情,話声,番組出場までのストーリーに,なにかしらの思い入れとギャップと驚きがあることが大切です。そんな中で,もしこんな場面をカラオケ番組で見ることができたら感動するだろうなあ・・・・という場面を夢想してみました。 

(夢想したシーン)

 いがぐり頭の中学生3年生が登場して,松山千春の空と大地の間を歌うという。ニキビ面で,度の強そうな眼鏡をかけ,人前ではほとんど話ができないような内気な中学生のようだ。学校の成績はあまり芳しくない。運動は苦手。田舎の中学なので,いじめられたりはしなかったが友達は少ない。半年前地元のNHKのど自慢に出場して鐘を鳴らした。カラオケ番組のディレクターがたまたま見ていて衝撃をうけた。 

 地元の町にもカラオケ店はあるのだが,仲間とは入ったことは数回だった。ラジオから聞こえる松山千春の歌が好きだった。自分で歌ってみると結構歌えた。恥ずかしいから人前で歌ったことはなかった。NHKのど自慢は姉がが勝手に応募した。 

 東京に出てくるのはが生まれて初めだ。姉に付き添われてバス,飛行機,JR,電車と乗り継いで半日かけてようやくテレビ局にたどり着いた。番組のリハーサルで,途中で歌詞を間違えた。本番ではすごく緊張した。司会者から尋ねられてもあまり上手には返答できなかった。歌いだしは緊張して声がすこし震えたが,後はのびのびと歌った。目をつぶると故郷の風景が浮かんで気持ちがよかった。サビの高音も我ながら綺麗だ。今度は歌詞も間違えなかった。 

 会場は静かだった。途中の間奏で拍手もなかった。審査員は唖然として彼を眺めた。今まで聞いたことのない声だった。聞いている人達に少年時代を思い出させる歌だった。15歳の少年がもつ不安や悩みや将来への夢がまじり合った胸が締め付けられるような歌である。 

 歌い終わってしばらく静寂が続いた後,審査員と会場にいた視聴者は全員立ち上がってスタンディングオペレーションをした。審査員は顔を紅潮させ涙声で感想を述べた。女性司会者は涙をぬぐった。カラオケスコアは95点だった。彼にとっては今までの最高点だ。残念ながら決勝には進めなかった。番組終了後TV局に問い合わせの電話が殺到した。レコード会社や芸能プロダクションのスカウトたちが一斉に彼との交渉に乗り出した。 

こんな場面をテレビで見ることができたら,きっと感動して長い間記憶に残るとおもうのですが,テレビで感動を探すのは安易といえば安易な話ではあります。 

経営ブログ著者一覧
長澤 康夫代表取締役社長長澤 康夫
高橋 俊一取締役高橋 俊一
久末 博昭取締役久末 博昭

過去の記事一覧

  • RSS FEED
  • RSS FEED
  • ビジネスパートナー募集