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経営ブログ

2018.01.04

インスタ映え

監査役 久末 博昭

  2017年の流行語大賞のひとつが「インスタ映え」でした。若者の世界では,自分で撮った写真や動画をインスタに掲載してみんなに見てもらい,良い評価をもらうのが流行しています。そのためには,題材やタイミングに工夫を凝らして,ハッとするような写真を撮ることがインスタ映えというそうです。
 
題材として食事,ペット,イベント,家族,友達,風景,事件と,身辺に発生するありとあらゆるものが,インスタに掲載されてきます。そんなに大量の写真を記録して何になるのか私なりに考え見ました。
 
  本当に記録として残したいのなら,いっそのこと生まれてから,死ぬまでの人生で自分が見たこと,聞いたことを全て記録したらどうかと思います。現代の技術をもってすれば,生まれた赤ちゃんに小型カメラと録音機器をとりつけ,以後ずっと彼が見聞きしたすべてを24時間記録しつづけて,データをどんどんをクラウドに蓄積していくことは十分可能です。クラウドのほとんど無限大に近いデスク容量を考えれば人の一生の見聞録などは微々たるものでしょう。
 
  もしこういう人生データを何万人分も集めることができたら,AIによるビックデータ分析が活用できます。例えば,人の性格はいつ何が原因で決まって行くものか,言葉をどうやって覚えるのか,コミュニケーション能力はどう成長するのかという心理学の世界の重要課題が解き明かされそうな気がします。
 
  一方でこの試みは,ある人の人生を忘却させることなく,いつでもリアルに再現できるという怖さがあります。忘れたいことも全て記録され,目の前に映像や音声として再現されるということは決して幸せなことではありません。長い時をへて,つらい事は忘れ,都合の良い事だけ記憶として残したいという人間の本能に逆行しています。
 
  インスタの写真や動画は人生の一瞬であり,その一瞬を手がかりにして,自分にとって都合の良い情景を思いだすことに活用すべきでしょう。不都合な真実は心の奥底に沈めて,良い思い出だけ記憶として浮かび上がらせ,上機嫌に毎日を暮らして行きたいものです。インスタは便利な思い出手帳として役立ちそうです。