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経営ブログ

2017.09.11

レンタルの時代

監査役 久末 博昭

   世の中はレンタルの時代になっています。食品と生活消耗品(洗剤,トイレットペーパー等)以外,ありとあらゆる物がレンタルできる時代になってきました。衣食住の内,衣服と住居はほとんどレンタル可能です。家の中を見渡しても,家電製品,生活用品,本,CD/DVD,自動車,自転車にいたるまで,レンタルできないものはないと言えるでしょう。
 
なぜレンタルビジネスが盛況になり,多くの人々が活用するようになったか,いくつか理由があると思います。
 
 一つ目は生活がある程度豊かになって,物を所有することにさほどの喜びや満足感を得られなくなったということです。昔のように生活が豊かでなかった時代は,物を買って所有することがある意味,人生の目標でした。お金を貯めて洗濯機やテレビ,冷蔵庫,自動車を買うことができれば十分な喜びで満足感を得られました。しかし現代のように,生まれた時からそういう物が完備されている環境で育つと,所有していることが当たり前で,さらにどうしても欲しいと夢中にさせる物がないということになります。
 
 二つ目は,人々の関心が物を所有することより,その物を活用して,どれだけ満足できる時間を過ごせるかに優先度が移ったことです。ある場所のイベントに出かけるためには,わざわざ自動車を所有するのではなく,レンタカーやカーシェアリングを活用するとか,そのイベントにあった衣服や道具をレンタルするとかして,いかに少ない費用で満足できる時間を過ごすかに,知恵をしぼることが当たり前になっています。
 
 世の中がこれだけ何でもレンタルできる時代になったわけですから,いっそのこと毎月定額料金をはらえば,食品以外の生活に必要な,ありとあらゆる物をレンタルしてくれる生活用品まるごとパッケージレンタルサービスでも始めてくれないかと期待してしまいます。もっとも人間を対象にすると,レンタル恋人,親,子供,親戚となり多少胡散臭くて,犯罪の匂いもしますが。
 
 親元から独立した若者は,レンタルセンターの会員となり,自分の所有物は一切持たず,すべてレンタルセンターからのレンタル品で一生を終えるというのは,あながち妄想とばかりは言えないと思います。終活で一番困るのは個人の所有物の廃棄でしょうから,最後はすべてレンタルセンターへお返しというのは,すっきりして理にかなっています。
 
 レンタルの時代は,この世は仮の姿だから,物欲を捨てなさいという,宗教的な教えを具現化した時代なのかもしれません。