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2016.12.26

特別寄稿 5年ぶりのケンブリッジ(3)

代表取締役社長 長澤 康夫

特別寄稿 5年ぶりのケンブリッジ(3) 

 

前回に引き続き,わが社の技術顧問をお願いしている北海道情報大学の古川教授からの特別寄稿として,「5年ぶりのケンブリッジ」の第3版が到着しましたので,掲載いたします。今回が最終回です。

 

5年ぶりのケンブリッジ(3)

技術顧問 古川正志

  バースの最大の売りは,紀元前1世紀ごろに作られたと言われる「ローマン・バス」です。1994年に訪問した時は浴槽の部分しか公開していなかった記憶なのですが,現在は,博物館としてローマ時代の遺跡群として公開されています。浴槽の部分は,まさに阿部寛のテルマエ・ロマエの感で,浴槽が緑色をしたお湯をたたえ,ぐるりとローマ時代の石像に囲まれています(破損しているものもあります)。石像がローマ時代の将軍か神であるかはよく分かりませんでしたが,浴槽部分の地下が1990年代に発掘され(私の思い込みかも),そこにはお湯の吹き出し口や浴場のいろいろな設備と発掘物が展示されています。また,周辺のローマ時代の建築物も模型で再現されています。ヨーロッパの温泉は,ハンガリーのブタペストやドイツのバーデン・バーデンが有名ですが,いずれも地下数千メートルから湧き出たもので,日本の温泉ほどは湯が熱くはありません。話は逸れますが,ブタペストの温泉では入浴時に紐に前垂れをつけたふんどしのようなものを身につけさせられました。一方,バーデン・バーデンでは男女の浴室への入り口は別なのですが,中へ入ると奥にたくさんの浴室があり,5室目くらいからは一糸身に纏わない姿で完全に混浴です。バーデン・バーデンもやはりお風呂の意味です。

 バースは,ローマ人が立ち去った後は廃れたと言われますが,ジョージ王朝の時代に復活しています。従って,その時代の建築物が色濃く残っています。中でも秀逸なのはロイヤル・クレセントと言われる地上3階,地下1階の集合建築です。ローマン・バスの北東に徒歩で30分くらいのところに位置し,バースの町並みに車で入っていくと真っ先に目につく建築物です。名前のクレセントの通り,集合住宅は三日月の形状をしており,一番左端が現在は博物館になっています。建物は当時のままに現存していて,当時の貴族の生活がよく分かります。建物の前面には広々とした芝生の庭があります。ここには現在も人が住んでいて,イギリス人の憧れの住宅だそうです。

 バースにはこの他にもザ・サーカスやバース寺院,プルトニー橋,等の見所があります。プルトニー橋はAvon川にかけられた橋と言うよりショッピングセンターです。やはり乳白色で黄味がかった色の石の建造物です。

 英国の友人が夕食にネパリーゼのレストランを見つけたので行こうと誘ってくれました。最初はネパリーゼの英語が聞き取れなかったのですが,話をしている内にネパール人のレストランであることが分かりました。バースも多くの移民が移住した町と聞いていましたが,少々驚きました。レストランは前回紹介した英国の長屋を2件つないだ形で,民家のような雰囲気でした。料理はカレー味ですが,どちらかと言うとタイ料理に近い味です。従業員は同じアジア人なので,と言うより日本人に近い感じがし,日本人がよく来ると言って親しげに話しかけてきました。観光地で話しかけられるのは一般には危険なので,気を許さないのですが,つい,リラックスしてしまいました。

 バースは,1日あればロンドンから日帰りできそうですので,機会があれば尋ねてください。

 ところでそろそろ大晦日です。英国では大晦日にミュージックホールに出かける風習があります。昔,下宿のお婆さんと経験しました。9時位からスタートし12時過ぎまで歌を聞きます。女性はジョージア王朝やビクトリア王朝時代のドレスをまとっています。12時になると皆立ち上がり,近くの女性にキスをすることができます。私の隣は左がビクトリア時代のドレスを着た若い女性,右が70歳ほどの下宿のお婆さんでした。キスの話は聞いていたのですが,なんとなくためらっている内に若い女性はその左隣の男性とキスをし,私は結局お婆さんとキスをする羽目になりました。

 今回,英国で感じたのは,1980年代に比べて経済状態は良さそうなこと,パンクのような若者は影を潜めていたこと,多くの出会った人がEUからの脱退を遺憾に感じていたことなどです。そして英国のパブでのむビールは,ビターであれ,ラガーであれ,エールであれ,とにかく美味しいのです。英国のビールに乾杯しながらケンブリッジ旅行の所感を終えます。