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経営ブログ

2011.06.27

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

執行役員 林 立晴

 学生時代に社会心理学の授業でゲマインシャフトとゲゼルシャフトについて習った覚えがあります。ゲマインシャフト=共同体組織、ゲゼルシャフト=機能体組織、と訳されていました。

 ゲマインシャフトは自治会、PTA、教会、高校のOB会のように、構成員一人ひとりの満足のために存在する組織です。運営上の方針は「皆で話し合って決める」というのが原則となります。共同体組織ですので誰か一人が方針に反対した場合、皆で説得するか、あるいは脱退してもらうことになります。

 これに対して、ゲゼルシャフトはそのものが明確な目的を有している組織です。この目的のために人材を集め、組織・役割・権限を決めて有効に活動することが求められます。最も代表的なものは企業となるでしょう。当然のことながら企業の目的遂行のためには、一部構成員に不満が出てくることがありえます。その場合には、目的遂行にはどちらが有効なのかを上司が判断・決定することになります。ただし、全ての組織をどちらかに属するとして白・黒つける訳にはいかないでしょう。創業したばかりのベンチャー企業は多分に「ゲマインシャフト」的である場合が多いでしょうし、一方、宗教団体が政治に関与してくると「ゲゼルシャフト」として集票活動を強要されることにもなります。

 これを思い出したのは、今回の大震災に対して、昔勤務していた外資系企業が、ボランティア用に月に2-3回大型バスを東北地域に派遣すると聞いたからです。最もゲゼルシャフト的で組織の利益を重要視している企業が、ボランティア要員のためにバスを用意する!正直ちょっと驚きました。外資系企業といえども、個人的な良心の部分で必要と判断したものについては無下にしない、ということを感じたものでした。