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経営ブログ

2010.03.08

若手SE育成の経験則

監査役 久末 博昭

 システムエンジニアという職種の技術者をどうすれば育てられるかについて,これが正解という方法はないと思います。この業種は生まれてから,まだ50年程度しか歴史がないので,育成の王道というほどのものは,まだないのでしょう。

 現実に多くのシステム開発現場では,先人達が過去の試行錯誤をとおしてつくりあげてきた経験則に,先輩SE達が自分の経験を加味して,なんとなく漠とした考えを形づくり,それをよりどころにして,後輩SEと一緒に仕事をしながら教えてきたのではないでしょうか?

 私自身,自分が手取り足取り先輩から指導されたという記憶もなく,私もまた後輩社員に細かく仕事をおしえて育成したという記憶もありません。一緒に仕事をする中で,真似るところは真似して,自分流にスキルアップをはかってきたと考えるSEが多数派ではないでしょうか。

 どうも,SEという人種は,自分が誰それに育てられたと感じたり,明言したりするタイプではなさそうです。(もちろん私もそうですが。)

そんな中で,昔の上司や先輩から言われ,私も実感している若手SEを育てる経験則を三つご紹介しましょう。

「SEは死線をこえて,初めて一人前」

死線とは何なのか,最初は良くわかりませんでした。ある時,私の作成したプログラムが原因でシステム障害が発生し,お客様担当者数名に囲まれ,膨大な紙の資料を目の前に積まれて,障害原因についてデバッグしたことがありました。このときは,本当に脂汗と冷汗が一緒にでて,解決できなかったらどうしようと,胸が苦しくなるピンチでしたが,幸いなんとか原因をさぐりあてることができました。

 妙なもので,それで度胸がついたのか,この後いろいろと苦しい局面にぶつかっても,あの時に比らべればまだましと思えるようになりました。きっとこれが死線を超えるということだったのでしょう。

「SEは一度逃げると,逃げ癖がつく」

 SEの仕事には必ず絶体絶命的なピンチが訪れます。その時の対応がお客様の信用,仲間内の信用をつくるのではないでしょうか。
すぐ解決できそうもない問題,お客様から責められる問題は,できれば避けたいし,他のSEに振ってしまいたいのですが,一度そうしてしまうと,次に発生した問題に対しては,ますます怖れを感じて逃げ出してしまうということを戒めているようです。

じゃ,どうするのか。逃げずに,討死するつもりで,解決策をやみくもに探しもとめるしか手はなさそうです。多くの先輩SEがそうやって突破したのだか,なんとかなるさと開き直れば道は開けるということでしょうか。


「仕事をまかせて,失敗させないこと」

 この経験則は私も実感しています。若手SEを早く一人前にする近道は,仕事をまかせて,失敗させずに成功体験を積み重ねて自信をもたせることだと思います。言うは易しですが,失敗させないといことは実は大変です。仕事をまかせた人が,仕事の勘どころをつかんで,適切に助言して,こけそうになったら助太刀も入れて,なんとかゴールインさせるわけですから負荷もかかります。

 メンタル面が強く,打たれ強いタイプは失敗から学んで成長していけますが,学生時代から成績優秀な優等生タイプは,失敗の経験が少ないためか,一度失敗すると,次もまた失敗するかもしれないという焦りから,悪循環にはまるケースが多いと言われています。

やっぱり若手SEには,小さくても良いから成功体験を積み重ねて自信をつけてもらい,失敗しないコツを体得してもらうことが成長の近道ではないでしょうか?